異邦人大系 読み切り版

□いつか、未来のその先で
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『陣内くん─! 降ろして! 大丈夫、僕、自分で走れるよ!』


『駄目です。貴女を無事に連れて帰ると、苧原第一指揮官と約束しました。』


『──こんなの、かすり傷だよ。それに。陣内くんだって怪我してるのに………うわぁッ?!!』


──ズガシャアアアアアンッッ!!!!!


《アアァアアアァ……》
《…アアアァアアアァアアアァ》
《喰ラウ…!! 天津、神───…》


『───冴島さん、お喋り止めないと舌噛むからね』


『ん〜、もぉー…。 わかったよぅ〜……』





深夜、丑の刻。古びた神社。
連鳥居。苔むした石階段。
上弦の月。連なる悪意と害意──。

微かな月明かりを遮る
夥しい歪な影達と
四方八方から無数に
降り注ぎ吹き抜ける殺意が
重なり合い、互いに交差する。

不気味な断末魔が響く深い森の中
蒼い閃光が幾度となく闇夜に煌めく。








『──あっれぇー? …苧原だ。苧原が居るよ? な〜んだ、心配して迎えに来ちゃったのかなぁ〜??』


──ニタァ〜ッ、……


『!!、…違っ──、異ぎょ…!!?』





──ガウンッ…!!!

……………………
……………


 
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