異邦人大系 第三部
□Happy halloween chaos night? (V)
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三日目、天津総滅師協会、廊下。
「───おい、優人。何でそんなにコソコソ隠れて歩くんだ? 少し、離れろ。歩き難いだろ?」
「だって。何か俺、凄く場違いな気がするし…。こんな所に普通、子供なんて居ないでしょ? それに。知り合いに会ったら会ったで、どんな対応をしたらいいのか、分かりませんもん……」
「…う〜ん。まぁ、それもそうだな」
「でしょ? だから、今は取りあえず。俺、目立たないようにコソコソしときますよ。ま。誰も俺の事、気付くとは思いませんが──…」
「あー! 陣内くんだぁ〜!!」
──ギクーッ!!
「……えっ?」
そこへ、テッテッと
一人の少女が駆け寄って来た。
天津の四柱の一人、冴島だ──。
「どうしたの? その姿」
「…えっ、と。よく僕だと分かりましたね……」
「うんっ! 陣内くんはねぇ、気配が他の人と全然違うから。僕、判るんだー」
「へ、へぇ…そうですか?」
「うんっ」
「──何だ、冴島。友達か…?」
そこへ、気怠そうな声が
割って入った。
「あ、苧原!」
「!、─あっ…苧原第一指揮官、おはようございます」
「……、おはようさん。…所で君、誰だっけ……?」
「苧原! 陣内くんだよっ!」
「……陣内?」
「おはようございます、第一指揮」
「ああ、祟場くん。おはよう………って、あ〜。思い出した。君ん所の子だったっけ、確か。…あれ? でも彼、こんなチミッコだったかなぁ〜……??」
「──それより、第一指揮。第三指揮官の事についてお話が…」
「ん? ああ。じゃあ、場所を変えようか──」
「…はい」
「行くぞ、冴島」
「はーい。…あ!、ねぇ、陣内くんも行くんでしょ?」
「え? ええ、まぁ…」
「君。プンスカ、連れてるよね? ね。僕のポンスカと戦わせて遊ぼうよ!」
「え? ポンスカ…?」
《ポンスカッ!!》
「えええっ!? 何ソレ!? うわぁ〜、初めて見た! うわぁ〜……え? 名前、ポンスカっていうの? クマ…じゃなくて、タヌキなんだ??」
「(ニヨニヨ)、うんっ!、元は君のと同じ、パンダさんだったのを、僕が改造したんだー!」
「へぇ〜、サエちゃんって器用なんだね。凄いなぁ〜…」
「えへへへへ」
《ポンスカ!、ポンスカ!》
《プンス?》
「陣内くん、行こ?」
「あ、うん!」