異邦人大系 第三部
□Happy halloween chaos night？ (Ⅶ)
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『───クロ、待ってよ。何処へ行くの…？』
真っ暗な闇の中へ浮かぶ
半球体の小さな世界で──。
伸ばした手は僅かに幼い。
『勘左ェ門！ 何処、行くんだよ！ 待てよ！』
追い掛けたいのに何故か
自分は、その場所から
動く事が出来ない。
身体はみるみる縮んで行く。
『キョウ！ プンスカ！ タケル！ 皆っ！』
呼べども叫べども
それに誰一人として
応える者は居なかった。
『置いてくなよ…！ 一人に…しないで……』
その場へ力無くへたり込み
小さく膝を抱えた。
その時──。
──ブワァッ…、ドロォッ…!!!
『っ、!?』
突然、真っ黒いものが地面から
いきなり噴き出して来たかと思うと
優人の手や足、身体へと絡みついて来た。
『────っ、?!!』
もがけばもがく程
それらは絡んで来て
優人を闇の中へ
引き摺り込もうとする。
『……っ!!、』
恐怖に駆られ、声が出ない。
身体の自由を奪われ
身動きが取れない。
抗う術すら思いつかずに
只、ひたすら絶望へと苛まれる。
…………………
……………
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