電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□不穏と
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『知らないよ』


『アンタが知らない訳ねーだろ』


『本当に知らないよ。僕は大戦にも情勢にもそこまで深く興味ないから。興味本位で首は突っ込むが責任まで負わない。本当に敵と戦わなきゃならないのはいつだって世界の異分子さ』


『創世者がよく言うな』


『確かに基盤を作ったのは僕だが。そこに生まれた人間の事までは知らないよ』


『無責任って言うんだぜ、そう言うの』


『上等さ。僕は愚か者だから何度でも間違える。そのたんびに修正するよ。……御子柴は多分、零世界かな。偽物とは言え現支配者だから、離れない筈』


『EMPTY.(うち)は広い。それじゃ何のヒントにもなりませんよ』


『適当にさまよってなさないな。必然とあらば出会うだろうさ』


『相変わらず、話になんねえおっさんだな』


『HAHAHA、君とお話になる奴なんて、世界中どこ探してもいないよ』


『じゃあ白羅は何処だ?』


『さあ? 今は何処で何してんだろうね。愁水君なら知ってるんじゃない?』


『あれは駄目でしょう。俺に対して意地が悪い』


『君みんなに嫌われてるから』


『…わかりました。もういいです。バカ息子一人の居場所すら判らないなんて。ちっとも役に立たないファミリーです。仕方ない、自分で探しますよ』


『そうしたまえ。僕らだって完全じゃあない。世界情勢の全てを握ってる訳じゃないんだ』


『そんな風じゃあいつか足下掬われますよ。では、失礼します』







――――――ドッカーン





『なんでやす!?』


『爆発!? 叔父さんの部屋からです!!』


『何事だ、真木!?』






『ゲホッゲホッうげっへぇ……いたたたたた、髭が吹き飛んだぜ、畜生……』


『どうした、真木!? 何があった!?』


『………、いや、ぷんすか培養実験してたらさ、間違って肉まんも一緒に入れちゃったみたいで化学反応起こしたみたい、HAHAHA』


『…叔父さん』


『アホか、貴様!! 肉まんとぷんすかを並べておくからだ!!』


『HAHAHA、ごめりんこ、以後気をつける』


『……? 血と香水の匂いがしやす。これはイノ…』


『レッショー君、悪いが散らばった肉まん片付けといて』


『え? あ、はい。了解』









(……。困ったもんだねえ、イノセントロア)




 


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