異邦人大系 読み切り版
□夕暮れの再会
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[無題-ノンタイトル-] #00 〜夕暮れの再会〜
*
放課後、夕暮れの校舎。
その片隅に位置する、あの教室───。
いつものように机へ伏して眠りに就く中、ふと睡眠の波が薄れたその瞬間、少年はその気配へ気付いてバッと顔を上げた。
『────おはよ、祢津也。て、夕方だけどね』
ソイツは祢津也の直ぐ目の前の机へと腰掛け頬杖を付き、何故かニコニコと笑みを浮かべながら、コチラをジッと眺めていた。
「なっ…?! 誰だよ、お前っ! 此処の生徒じゃねぇーな!!?」
寝起きにも関わらず、席から反射的に跳ね退いて、祢津也は相手との間合いを取る。
遅れてガタンと椅子が倒れた。
『……………』
ソイツは机の上から只、祢津也の事を眺めていた。
無言でソイツが、スッと椅子と机との上に立ち上がる。
見た事のない制服(?)、妙な違和感…。
祢津也は身構え、警戒の眼差しを向ける。
『……そっか、祢津也は過去へ遡ってたんだ…。だったら俺の事も、まだ知らない筈だよね───』
ソイツは一人勝手に何やら納得した様子で眉を八の字にして笑った。
──タンッ
「!」
途端、ソイツの姿が消える。
──トッ…
次に現れたのは祢津也の直ぐ目と鼻の先──。
(──コイツ…!)
見上げた相手は祢津也より頭一つ分、大きかった。
見下ろして来たその相手は、自分がどんな次の行動に出るよりも先に思いもよらぬ行動へと出た───。