過去 拍手SS
□私の眠りを守るのは
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【寺田屋】
「・・・まっこと、可愛らしいのぉ。」
縁側に腰掛けて、コクコクと居眠りをする彼女の姿を見つけ、龍馬は思わずため息を漏らした。
「・・・うわぁ。姉さん寝ちゃってるッスね〜」
「こんな所で・・・風邪をひいてしまう。」
「龍馬、鼻の下伸びてるぞ。」
「う、煩い!鼻の下なんて伸ばしとらん!」
龍馬たちのやり取りに、んんっと身じろぐ彼女。
思わず息を飲む。
「大きな声出したらダメッスよ」
慎太郎が小声でシーッと口元に指を当て、龍馬たちを睨めつけた。
言い返したいのは山々、といった顔で、それでも一斉に口を閉じる。
「思ったより会合が伸びてしまったからね・・・」
「待ちくたびれたんじゃろう。」
「ふん、どうせまた夜中まで何かやってたんだろ。」
声のトーンを下げて、再び話を始める彼等。
「少し、寝かしてあげましょう?」
慎太郎の提案に、コクンと頷く。
暖かな午後。
木漏れ日の中をサワサワと風が通り抜ける。
心地よい風。
そして、彼女にかけられた4枚の羽織。
四人の優しさに包まれて
今日も私の安らかな眠りは守られる