過去 拍手SS

□私の眠りを守るのは
1ページ/1ページ


【寺田屋】



「・・・まっこと、可愛らしいのぉ。」


縁側に腰掛けて、コクコクと居眠りをする彼女の姿を見つけ、龍馬は思わずため息を漏らした。


「・・・うわぁ。姉さん寝ちゃってるッスね〜」

「こんな所で・・・風邪をひいてしまう。」

「龍馬、鼻の下伸びてるぞ。」

「う、煩い!鼻の下なんて伸ばしとらん!」


龍馬たちのやり取りに、んんっと身じろぐ彼女。


思わず息を飲む。


「大きな声出したらダメッスよ」

慎太郎が小声でシーッと口元に指を当て、龍馬たちを睨めつけた。

言い返したいのは山々、といった顔で、それでも一斉に口を閉じる。


「思ったより会合が伸びてしまったからね・・・」

「待ちくたびれたんじゃろう。」

「ふん、どうせまた夜中まで何かやってたんだろ。」

声のトーンを下げて、再び話を始める彼等。


「少し、寝かしてあげましょう?」

慎太郎の提案に、コクンと頷く。



暖かな午後。

木漏れ日の中をサワサワと風が通り抜ける。

心地よい風。


そして、彼女にかけられた4枚の羽織。




四人の優しさに包まれて

 今日も私の安らかな眠りは守られる
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ