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□桜の舞う季節に
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もうすっかり季節は春。
肌を撫でる風も心地よく、暖かな日差し。
もくもくと綿菓子のような桜も、風に吹かれて花びらを散らす。
「花見だ!花見をするぞ!!」
勿論、言い出したのは高杉さん。
「花見にいくのならば、それなりの料理を用意しなくてはいけないね。」
と、桂さんが乗り気なのには意外でした。
「花見と言えば団子ですよね〜♪」
総司君は、面倒くさがる土方さんを連れて、お団子屋さんに向かった。
「早速、以蔵君と場所取りしてくるッス!」
「は?何で俺が場所取りなんてしなきゃいけないんだ!」
「以蔵。私の命令でも行けない?」
「よ、喜んで!!」
言わなくても分かりそうですが、寺田屋組の慎ちゃん、以蔵、武市さん。
「やっぱ鳥鍋じゃなっ!」
と、鳥を買いに行ったのは龍馬さん。
花見でどうやって鍋をやるつもりなのかな。
「まったく、君たちは花より団子だな。」
呆れ顔で大久保さんも登場しました。
「激渋の茶を用意するのを忘れるではないぞ。」
大久保さんも行く気満々ですねぇ。
「せっかくの機会だ。乾君と西郷も連れてくるとしよう。」
「・・・それはいい機会なので止めていただきたいですね。」
あはは。武市さんは乾さんが苦手だからなぁ。
「小娘も、もちろん行くのであろう?今日は特別に私がえすこーとしてやらんでもないぞ。」
「あっ!それは俺の嫁だ!俺の酒を注げっ!」
「君は何が食べたい?君の食べたいものを作ろうとしよう。」
「姉さんの方が桜より綺麗ッスね〜。」
「転ぶといけない。私が手を繋いで連れてってあげよう。」
「君には特別に、僕のお気に入りの団子をあげますね♪」
「お前の卵焼きが食いたい。今日は作らないのか?」
「・・・夜桜が見たいなら言え。護衛くらいはしてやる。」
ふふふ。
みんな元気だなぁ。
「ほら、何してんだ。さっさと行くぞ!」
差し出される九つの手。
私は満面の笑みで答えた。
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