過去 拍手SS
□七侍的partB
1ページ/6ページ
〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜
いつも素敵なメッセージを送って下さる まきこ様への感謝の気持ち♪
ネタの提供にご協力頂きありがとうございます☆
『ハロウィン娘と七人の侍@〜桂編〜』
〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜
「トリック オア トリート!!」
はいはい。今日も彼女は元気に暴走中です。
「・・・それはどういった意味の言葉かな?」
そんな彼女に、相も変わらず紳士な態度を貫くのはこの男。桂小五郎。
「『トリックオアトリート』直訳すると『イタズラか、もてなしか』。要は、お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞって意味。」
今日はハロウィン。
「おや。今日は一段と着る物が変わっているね。」
彼女の突飛な行動を見守る優しい眼差し。
何処の誰に用意させたかは不明だが、平安装束に身を包み、くるくるとその場で回ってみせた。
「牛若丸になってみました〜」
そして上目遣いに、顔の前で広げられる小さな手。
要するに、菓子をねだっている訳ですね。
期待に満ちた見上げる大きな瞳に、桂の顔も自然に緩みます。
「おやおや。これは困ったね・・・」
その愛くるしい姿に、彼女の悪戯とはどんなものか。
そんな好奇心に駆られる。
何とか思いとどまった桂は、穏やかな口調で言った。
「残念ながら、甘味を切らしていているんだ。半刻程したら、また訪ねて来てもらえるかな?」
「うん!わかった!」
素直に頷いて、踵を返す彼女。
「・・・これは忙しくなったね。」
*****
「トリック オア トリート!!」
再び桂の元へと訪れた小悪魔。
「いらっしゃい。」
ちょこんと彼女の掌に、小さな包みを乗せてやった。
「金平糖だよ。気に入って貰えたかな?」
嬉しそうに目を輝かせて、彼女はお礼を口にする。
「ありがとう。」
彼女のたった一言で、桂の頬は緩みっぱなしだ。
「・・・トリックオアトリート。だったかな?」
桂が同じ言葉を返した。
彼女は驚いたように目を丸くし、慌てて金平糖を握りしめた。
「・・・あげないよ。」
手に入れたばかりのお菓子を横取りされたら敵わない。
金平糖を背中に隠す。
「そう・・・では、悪戯をしなくちゃいけないね。」
桂の口元が弧を描いていく。
彼女を自然な仕草で引き寄せて、ゆっくりと近づけられる顔。
至近距離で揺れる大きな宝石に、桂の甘いため息がもれる。
「・・・さて、どんな悪戯をしようか。」
今にも触れてしまいそうな距離で、滑らかな頬に指を這わす。
彼女宝石が伏せられて、代わりに長い睫毛が悩ましげに揺れた。
「桂さん…」
細い腕が、桂の首に絡みつく。
柔らかい唇と吐息が、桂の耳を掠めた。
「・お・あ・ず・け・♪」
言うも同時、彼女は「とうっ!!」と桂の手の中から逃れ、おもちゃの剣を突き付けた。
「桂さん、今忙しいから、後で遊んであげるねっ!」
牛若丸を演じているのだろうか。
「では、参る!!」と勇ましく彼女は立ち去って行った。
後に残された桂。
彼女がすり抜けていった両の手をそのままに暫し硬直する。
次第にこみ上げる笑い。
クツクツと笑いだした。
「・・・おあずけをくらってしまったね。」
『後で遊んであげるねっ!』
彼女が言い残した言葉を思い出し、桂は意味深な笑みを作る。
「・・・・楽しみだね。」
そして、桂は部屋で素直に彼女の帰りを待つのであった。
ハッピーハロウィン!!!
まだまだ続くよっ♪
☆