琉千彩〜番外編〜

□敵には○○を?
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これは、小娘が長州藩邸を訪れた時のお話。



「あ、そうだ。大久保さんに預かったものがあったんです。」


小娘は風呂敷包みをドンッ!と前へと差し出した。


「大久保さんから・・・?」


差し出されたものを不思議そうに見つめる高杉と桂。



「ええ。これを高杉さんと桂さんに渡すように言われました。・・・手ぶらで行かせる訳にはいかないとか何とか、言ってました。結構重たかったですけど・・・中身はなんでしょうね?」


「小五郎、開けてみろよ。」


高杉の言葉に、桂が風呂敷を解いた。

中には木の桶のような物。

蓋を開けると、そこには白い粉上の物がめいいっぱい詰め込まれていた。


「これは・・・。」


それは大量の塩だった。



しばらくその場に沈黙が訪れる。




「・・・あの野郎!!敵に塩を送るとか言いたいのかっ?!」


「・・・ほう? これは戦線布告と取っていいのかな?」


ニコニコと笑う桂は、おぞましい程の殺気を放っていた。



・・・これから同盟を結ぶハズの両藩。


このまま無事に同盟は結ばれるのだろうか・・・


小娘は一抹の不安を抱き、苦笑した。


☆おわり☆
 

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