小娘ちゃんと七人の侍

□プロローグ
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昔々、あるところに、それぞれに志を持った七人の侍がおった。

ある日、七人侍の一人、名を坂本龍馬と言う侍が竹藪を歩いていると、何とも美しい娘を見つけたそうだ。

「こりゃぁ。まっこと可愛らしゅう娘さんじゃ。寺田屋に連れ帰るぜよ。」

そう言って、龍馬は意識のない娘を抱え、寺田屋へと連れ帰ったそうだ。

井戸で洗濯をしていた侍は、龍馬の持ち帰った娘の美しさに、大層驚いた。

「めちゃめちゃ可愛い娘さんっスね!どこで拾って来たんスか!?」

その侍は慎太郎と言い、彼もまた大層喜んだ。


庭で薪割りをしていた侍は、名を以蔵といい、龍馬が持ち帰った娘を見て、大層嫌な顔をしたそうだ。

「犬猫じゃあるまいし…簡単に拾って来るな!」

口とは裏腹にその侍も、娘の事が気になっているようじゃった。

「この時期に、娘さんを拾ってくるなど、龍馬は一体何を考えているんだ。」

そこへ現れたおばあさ・・・じゃなくて、とても美しい侍は、名を武市と言う。

彼もまた、口とは裏腹に、娘の事が気になっている様じゃった。

そして、ええっと・・・1、2、3・・・

五人目の侍は高杉晋作と言い、とにかく一目で娘を気に入ったそうだ。

「決めた!!俺の嫁にする!!連れて帰るぞ!!」

気絶したままの娘を肩に担ぎ上げ、龍馬たちの制止を振り切って連れ帰ろうとしたそうだ。

「晋作、よさないか。」

そこへ六人目の侍、桂小五郎が現れての。

高杉を止めているうちに、なんと娘さんが目を覚ましたそうじゃ!

「ん〜。・・・なにこれぇ。頭が逆さまぁ・・・」

「すまないね。晋作っ!降ろしない!!」

桂の一喝に、高杉は渋々、娘を肩から降ろしたんじゃ。

「目が覚めたんかの?!」

「どこか痛い所ないッスか?!」

心配そうに声を掛ける龍馬と慎太郎。

娘の光を宿した瞳は、零れ落ちそうな程。

大きな宝石の様じゃった。


彼らをゆっくりと見回して、娘はこういったそうじゃ。

「あなた、だぁれぇ?変態?それとも人攫い??変な恰好してるわねぇ。あ〜、身代金請求しても無駄よ〜。うちにはそんな余裕ないからぁ。・・・それより、意外といい男多いわねぇ。」


娘は穏やかな口調で、意外とすごい事を言ったそうじゃ。


「あ・・・え〜っと・・・」


硬直する侍達と娘。

これが最初の出会いじゃった。

これから始まる物語りは、昔々の京の街。

小娘と七人の侍の大冒険・・・?


そして昔話風ナレーションはここで終了するのであ〜る。



〜ぷろろーぐ終了〜



「ちょっと待て!!一人、大事な人間を忘れているだろう?!私を紹介しないとは、いい度胸だな。」


ん?・・・あ〜。

忘れてました。


「・・・忘れていただと?」


あは。ははは。

殺気丸出しのこの侍・・・

い、いや、お侍様。名を大久保様といいまして・・・

と、とにかく、本編に進むのである!!


「待てっ!!それだけか?!他にも何か言う事があるだろうっ?!」


・・・・

・・・・・


〜本当にぷろろーぐ終了〜
 

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