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□☆はっぴーばれんたいん☆
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【慎太郎編】

☆はっぴーばれんたいん☆


「慎ちゃん、ちょっといい?」

私は慎ちゃんの部屋を訪れた。

ずっと部屋に籠っている慎ちゃん。

いろいろと書き物が溜まっているって言ってたっけ。

「・・・どうぞ、勝手に入ってくれますか?」

襖越しに慎ちゃんの声が聞こえ、私は襖を開けた。


真剣な顔で文机に向かっている慎ちゃん。

窓から差し込む夕日が、慎ちゃんの横顔を茜色に染めていた。


「お茶、ここに置いておくね。」


お茶を置くと、すんません。と笑顔をくれる。

そしてパタパタと書類を片付けて、私の方を向いてくれた。

「ごめんね。邪魔しちゃったかな?続けてもいいよ?」

「邪魔なんてとんでもないッスよ。丁度休憩しようと思ってたところでした。」


慎ちゃんはいつも優しい。

私の事をどんな時でも気遣ってくれる。

慎ちゃんの優しい眼差し。

本人を目の前にして、やっぱり伝えたいと思う。


「あのね・・・慎ちゃんに貰ってもらいたいものがあるんだけど・・・」

私はためらいながらも綺麗にラッピングした包みを手渡した。

「・・・これは?」

首を傾げる慎ちゃん。

「あの・・・今日はバレンタインだからっ///」


どうしよう。声が震えてしまう。

慎ちゃんの顔を見れなくて、私は思わず俯いてしまった。


「・・・今朝、龍馬さん達と一緒にもらったッスよ?」


ええ。

あげました。お世話になってるみんなに。

だけど、それは・・・


「本命チョコ・・・なんだけど///」


カッと自分の顔が火照るのが分かった。

きっと誤魔化せないほどに真っ赤な顔をしているだろう。


「・・・本命ちょこ・・・ッスか?」


・・・


「あぁ、そっか・・・説明してなかったね。」


この場で、説明しなくちゃいけないの?///

すっごく恥ずかしいんだけど///


「あの、ね///バレンタインはお世話になっている人へのお礼をする日でもあるけど・・・本当は・・・す、好きな人に、女の人から告白できる日なんだよっ////」


「っっ!!///」


慎ちゃんの身体が、ぴくりと動くのが分かった。

怖くて、顔を見れないよ。


しんと静まる部屋。

暫くの沈黙が広がる。


・・・どうして、何も言ってくれないの?

やっぱり、迷惑だったかな・・・


「ご、ごめんねっ!!邪魔しちゃったよね!もう行くから、お仕事続けてっ!!」


私はいてもたってもいられなくて、早口で言ってその場を立った。


襖に手をかけると、その手の上に乗せられる優しい手。


・・・え?


「・・・そんな事言われたら、仕事なんて出来ないッスよ///」

背中からそっと抱き寄せられて、胸がどきんと高鳴った。


「・・・慎ちゃん。」


「本命ちょこ、しっかりと受け取りました///」


耳元で囁かれて、かかる吐息が熱い。

振り返ると、真っ赤な顔を慌てて逸らす慎ちゃん。

「み、見ないでくださいっ///」

そんな、可愛い慎ちゃんに

「慎ちゃん、大好き!!」

思わず私は抱きついた。

「わわっ///・・・俺も大好きッス///」


抱きとめてくれる優しい手。


慎ちゃんの顔は、夕日よりもずっと真っ赤だった。

きっと、私の顔も真っ赤なんだろうな。


〜はっぴーばれんたいん・慎太郎END〜



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