琉千彩
□第四話
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なんで?!
こんなの初めてだよっ!!
慌てて自室に戻り、再び歴史書を開く。
今までも歴史が変わる事は多々あった。
史実と比べても、出来事の時期や内容が変わるのは珍しくない。
・・・だけど
こんなにも大幅な違いは初めてだった。
今回の歴史は大きく変化していた。
未だ薩長同盟は結ばれてはおらず、事件と呼べるほどの史実が、ほとんどおきていない。
平和すぎる生活に・・・ずっと嫌な予感がしていた。
突然の歴史の変化。
そして今まで無かった様な出来事・・・
狂 イ 始 メ テ イ ル ?
ぞくり、と背筋に冷たいものが走り、身体が震えた。
唾ががうまく飲み込めず、ゴクリと喉が鳴る。
歴史書をめくる指が震え、うまく開かない。
「だめ・・・しっかりしてっ」
震えを止めようと、手をぎゅっと掴んだ。
――― 私が自分で決めた事だよ
もう 誰も失いたくないって
誰の血も見たくないって
――― ダカラ 私ハ ココニイル
頬をバシっと叩く。
震えている場合じゃない。
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