琉千彩〜番外編〜
□慎太郎×小娘【寺田屋】
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小娘の問いかけに、ハッと我に返る慎太郎。
一瞬にして状況を把握し、一気に顔を赤く染めていく。
「わ、わゎゎゎ。///////っ」
慎太郎は情けない声を出し、一目散に部屋の端っこまで後ずさりする。
その行動に、ショックを隠せない小娘。
「ご、ごめん。私、そんなに臭いかな・・・
ちゃんとお風呂入っているんだけど・・・」
見事に勘違いをしている小娘は、自分の身体をくんくんと嗅いでいる。
未だに胸の鼓動が収まらない慎太郎。
「・・・ち、ちがうんッス。臭いわけじゃなくて
・・・は、はな!花が・・・!」
小娘は、甘く、花のような、とても良い香りがした。
慎太郎は動揺してうまくしゃべれない。
「えっ?鼻?!」
小娘はパッと自分の鼻を押さえる。
ますます、わけの分からない誤解をする小娘。
その突拍子もない小娘の行動に、おもわず笑いがこみ上げる。
「くっ・・・あははは。」
慎太郎は、一人で照れて、戸惑っていることがおかしくなった。
「くくくっ。姉さんってホント、鈍いっスよね〜」
「え?鈍い?私の鼻が鈍いの?!」
小娘は、再び自分の体の臭いを嗅ぎ始める。
どこまでも勘違いする小娘の姿が、可愛らしくもおかしくて仕方ない。
慎太郎は、必死にこらえるが、堪えきれずに再び笑い出す。
「姉さんって、ホントおかしいっス。」
「し、慎ちゃん!?どうして笑うの〜?!」
小娘は、勘違いをしたまま。
自分の体臭を気にして、風呂に入る回数を増やす事になる。
そして、慎太郎は・・・
今後さらに艶めかしく色っぽい香りを纏う
小娘に惑わされることになるのであった。
→あとがき