琉千彩〜番外編〜

□以蔵×小娘A【約束&ギフト】
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「ねえ、以蔵。お願いがあるんだけど・・・」


小娘は、以蔵が先ほど脱ぎ捨てた着物を畳んでいる。



「なっ!!まだ何かやる気かっ?!もう十分だろう!!」



小娘は着物を畳む手をとめる。



「そ、そんな怖い顔しないでよぅ。だって今日はまだ終わってないよ?今日一日、何でも言う事聞くって約束でしょう?」




以蔵は、ちっと舌打ちをし、ため息をつく。



「・・・次はなんだ!!もう女の格好はごめんだからな!!」




畳んだ着物と帯を重ねながら、そんなんじゃないよと笑う小娘。





突然真面目な顔になる



「以蔵―――死なないで。お願いだから。」





「―――― は?」



予想外の言葉に目が点になる。言っている意味がわからない。



「今日だけじゃなくて・・・ずっと。・・・以蔵は危険な仕事が多いのは知ってる。だから、怪我しないで。死なないで。お願い。」






「・・・なんだ突然。なんでそんな事お前と約束しなくちゃいけないんだ!」





「真面目に言ってるの。ちゃんと聞いて。」



以蔵は、いつもと違う小娘の真面目な顔つきに、つい目を反らしてしまう。



「・・・わ、わかった。努力はする。」



「ホント?・・・じゃあ指切りして!」





「ゆびきり?なんだそれは」



小娘は以蔵の指に、強引に自分の指を絡ませる。



「指切りげんまん ウソついたら針千本飲〜ます。」




「はい。これで成立だよ。約束破ったら、針千本飲むんだからね。」


そういって、指を離した。






「・・・お前、馬鹿だろう。針を千本なんて飲めるわけがない。」


ふっと鼻で笑う。



「・・・もう!例えばの話だよ。約束を破ったら針を千本飲むって位の気持ちで約束を守るってことだよ!」




はいはい。と以蔵はあしらう様に言う。




「・・・それと、もう一つ。」


「なんだ、まだあるのか?!」




「うん、できれば、できればだけど・・・相手もあまり気づ付けないで欲しいなぁ・・・なんて。あはは。」



「・・・は?自分も傷つくな。相手も傷つけるな??」



あはは。できれば、の話だから〜っと笑ってごまかしている小娘。





「・・・それと、もう一つ。」





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