本を読んでたら、右肩が重たくなった。

閉じてる長いまつげに見照れてしまう。

みんなの前では元気いっぱいでハイテンションで居るけど、

やっぱり疲れてるんだな。

このまま寝ちゃうと、風邪引いちゃうな。

読んでた本を閉じて、カバンにしまう。

用意されてるブランケットを掛けてやって、ついでにリクライニングの調節をしてやる。

でも、俺の右肩が寂しいから。

一緒に同じ角度にリクライニングしよう。

すぅすぅと静かな寝息を感じて、心地いい。

鼻筋の通った横顔を見ていたら、髪の毛を触りたくなった。

左手を伸ばして、柔らかい髪の毛を解かす。

しばらくそうしていたら、ゆっくりと瞼が開いた。

「ぁ、起こしちゃった?ごめん。」

「ん、ぉはょ…」

「寝てて、いいよ。疲れてるでしょ?」

そういうとふっと顔を近づけてきて。

唇が触れるだけのキスをしかけてきた。

「お前も疲れてるじゃん。一緒に寝ょ?」

自分に掛かっていたブランケットの半分を俺に掛けてくれた。

また、さっきみたいに俺の右肩に頭を乗せてきて。

ブランケットの中で俺の右手を握ってきた。

「おやすみ」

しばらくしたら、またすぅすぅ寝息が聞こえてきた。

空の上で、二人だけの空間。

ずっと、こうして居られたらいいのに。

そう思ったけど、大好きな笑顔に会えなくなるって思ったら悲しくなったからやめた。

だけど、今だけはこの右手を離したくない。

着陸まで1時間。

笑顔に会えるまでは寝顔を見ていよう。

そう思ったけど、いつの間にか夢に落ちてしまったみたい。

おやすみ。

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