とある魔術の禁書目録
□順番
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『好きになってごめんな』
上条の家に来た一方通行は上条当麻の手によってベッドに押し倒されていた。
一方通行は同年代に気を休めて接する事が出来る友達が居なかったことから俺の家にくればいい、という上条の提案で週一程度で上条宅に足を運ぶことが日課になっていた。
今日も今日とていつものように上条宅に来てみれば、切羽詰まったような当麻の顔。そして、何故か今に至る。
「は…、何言って…」
「ごめん…ごめん、」
情緒など無いと言わんばかりに部屋の照明が照っていて、上条の申し訳なさそうな顔が鮮明に見えていた。
ぎゅ、と頭の上で一括りにされた腕が少しだけ軋んだ。
「…謝ってるだけじゃ、分かンねェぞ、三下ァ」
やっとの思いで喉から絞り出した声は掠れていて、一方通行は自身が緊張しているのだと実感した
「ごめ…っ、我慢、出来ない…」
するりと腹をなぞった手にびくりと震える。その手はやがて服の下へと潜り込み、服を脱がそうとする。
「…っ三、下……」
擽ったさやら気恥ずかしさやらで顔に朱が走る。その姿を見て上条はまた欲情したようで、手はやがて上へ、上へと行く。
「…はっ、触、んなァ…」
次第に激しくなる愛撫に呼応するかのように、一方通行の喘ぎ声も激しくなった。
胸の突起を、優しく時には激しく弄ぶ上条は、しかし此方をちらりとも見ない。
これじゃあまるで愛の無い行為なのではないか、と思う。それでも快感を感じてしまう自分は何なのか、一方通行の心に自虐の念が押し寄せた。
「…あく、せらっ、れーた…っ」
「…ァ、ンっ…はァン…」
昂るソレに触れる。既に起ち上がっていたソレは面白いほどに反応し上条は思わず喉をならす。
そしてソレを口に含む。一方通行は嫌がり、少し抵抗したけれど、力無い抵抗など無いにも等しくて、行為を押し進める。
「…っ、あァっ!」
一際高い声のあと一方通行は果てた。
「…………」
「…………」
それから。
果てた後、後ろを解しに掛かった上条の手に我に返った一方通行がチョーカーの電源を入れ上条の頭をベッドに押さえ付けた。
それから服を拾い上げシーツで体を隠した。
そしてベッドに正座させている。
「…あ、の」
「何であンな事した。処理だっつーなら許さねェぞ」
怒り沸騰な一方通行を目の前に上条は萎縮していた。
「………ごめん」
ぐっと作った拳を膝の上で更に強く握り締めた
「謝ってたって分かンねェっつってンだろ。早く言え」
「処理、じゃない…。俺はお前が」
ぽつりぽつりと話し始めた上条はやはり一方通行の顔を見ようとはしない
「その、好きで。好きだから…我慢できなかっ、…ッ」
ぱたぱた、と拳の上に雫が零れ落ちた。
「…かみじょ…っ、」
「酷い事した…って自覚は、ある。だけどもう、我慢出来なくて…っ」
ぱたぱた、ぱたぱたと。
滴るソレは拳を、シーツを濡らしていく。
一方通行は目の前の泣き止まない上条を抱き締めた。
「罪悪感感じるくらいなら、ハナっからすンじゃねェよ。大体俺はよォ頭の悪ィオマエの事なンざお見通しなンだよ」
涙を指で掬いながら、一方通行は続けた。
「ヤッてる最中、一度もキスしたり痕つけたりこっち見たりしなかっただろォが。それってつまり罪悪感感じてたっつゥ事だろ?違うか?」
「……でも、俺お前の事、犯したんだぞ…?」
「順番間違えただけだろォが。今オマエがきちんと言えば、許してやる」
一方通行には珍しく薄く笑みを浮かべて告げられた。
「…いいのか?」
「俺がイイっつってンだ。…―ほら、早くしろ」
すぅっと息を吸い込んだ。
「…好きだ、一方通行。付き合って下さい」
「はッ…、しゃあねェなァ。オマエみてェなバカ、俺しか一緒に居てやれねェだろォが」
そうして、手を握った。
(( 順番 ))
(そンなもン関係ねェンだよな)
「ところでその服装は誘ってんのか?」
一方通行の服装はパンイチ。しかも飛び散った白い液体もそのままで。
「殺すぞ」
「嘘ですごめんなさい」
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