ストーカーは恋をする

□プロローグ
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貴女が優しさをくれた。
あの日から私は…貴女を…。
 
 
 
 
 
地元の人なら誰でも知っているような大学に通うのは前田敦子。
この物語を語るにはまず、彼女を紹介しなければならない。

毎朝8時半には家を出る彼女。
自転車で学校へ向かう彼女に友達はいない。
学校に着いても誰とも声を交わさない日は毎日続いていた。

そんな彼女は毎日真面目に講義を聞くのが生活習慣だった。
彼女のノートには一般の生徒より講義内容が綴られていた。

埋め尽くされたノートを見つめる彼女は無表情だった。
話す相手のいない彼女の存在感は薄く
彼女の名前を知る人物は講義の講師くらいだろう。

一番前の席でノートと黒板の往復をただひたすら繰り返す彼女。

−キーンコーンカーンコーン−

そんな彼女の長い学校生活の終わりを告げるチャイムが鳴る。
ガヤガヤと賑わう教室を足早に出てく彼女は駐車場へと向かった。

自転車に跨がり漕ぎ出す彼女はどの生徒よりも早く学校を出た。

賑わう街並みを駆け抜ける彼女。
一人ぼっちの彼女はこんな時大抵過去の事を思い出していた。

 
 
 
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