ストーカーは恋をする

□ストーカーは恋をした
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昨日以来、敦子の心は心ここに在らずだった。

(あの人の名前…知りたいな……)

講義の間も考えることはあの女の子のことばかりだった。



−キーンコーン、カーンコーン−

今日も終業のチャイムが鳴る。
お昼休みに入った学校は賑わっていた。
その騒音を茅の外にするのは敦子。
人混みを避けるように広場のベンチへ腰かけた。

「いただきます…」

手を合わせてお弁当を口に運ぶ敦子。
いつも読む小説は今日は閉じられ、
敦子の目は広場へと向けられた。

「また会えない…かな?」


――――
―――――――
―――――――――


「ごちそうさまでした…」

お弁当を食べ終えて片付ける敦子。
今日の講義もあと少しで終わる。
深く溜め息を吐く敦子は前に感じていた空しさより
寂しさを今は感じていた。



そんな敦子は諦めて次の講義のため歩き出した。
校舎の渡り廊下を抜けて3階に行った所が今日の教室だ。
俯きながら歩く敦子は前から走る人物に気付いていなかった。




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