連載
□第四話「追跡と出逢い」
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【ザッザッザッザ】
霜の上を駆け抜ける音が夜空に響く
『あの男…γとか言ったっけ……っどこだ』
外道貴族γを追い駆け抜ける
商人を咬み殺しているうちに見失ってしまった
『…今日の僕は…らしくない…のかな』
焦りにより素直になる雲雀がそんな事を考えていると、暗い背景の中から明るい一つの小屋が姿を現した
『!!』
足をゆっくり停め、自分の呼吸と静かな冷風の音だけがあたりを支配した
少し…少しだけ時が刻まれたその時
【パリーン】
小屋の窓ガラスが雲雀の目の前を勢い良く通り過ぎていく
そっと中を覗くとそこには…外道貴族γと…
服を引き裂かれ頭を地面に叩きつけられた泥色をした少年の姿があった
その光景を見た瞬間
なんとも言えない衝動が爪先から頭上にかけ激しい勢いで雲雀を襲う
こんな奴を幾度か目にした事はあるはずなのに
雲雀の頭は『真っ白』と言う窮地に立たされた
だが
衝動が走ったと同時に
【ガキィィイィイン】
もう足は体を小屋内へと運んでいた
脳は腕と自慢のトンファーをγに放っていた
そして
心は少年を捕らえていた
「!!『だ…誰??』」