+
□salvation
2ページ/7ページ
それは、冬の終わりのことでした。
もう少しで春が来る…そんな時期のことでした。
「アレンくん!」
「リナリー!戻ってたんですね」
最近、何だかんだと任務ですれ違っていた彼を廊下で見つけて、緩む頬も気にせず駆け寄った。
ただ顔を見るだけで、こんなに嬉しくなっちゃうから不思議。
「…その荷物、これからまた任務?」
「ええ。でもそう遠くないんで、すぐ帰れると思います」
「そっか…気をつけて、ね」
「…」
「……アレン、くん?…Σキャッ!」
微動だにしない彼が心配になって、顔を覗きこもうとしたら、不意に引き寄せられた。
久しぶりのその体温は温かくて、じわじわと私の身体に染み渡る。
でも…何だろう…何か…?
.