任侠ヘルパー
□任侠ヘルパー
2ページ/9ページ
‐浜辺‐
彦一さん達と私は、お義父様に呼び出された。
『連帯責任?!』
源助「あぁ、一人でも正体バレたり、バックレたりしたら全員の連帯責任だ。
そんときは、どうなるか分かってんだろ?」
『………』
源助「とにかく、幹部の席が欲しけりゃ仕事をキッチリこなすこった。
あの施設での働き具合を見て、決めるからよ。」
三樹矢「親父、だから俺幹部とかそんなんいいから、」
六車「働きぶりで決めるって、何をどうすれば評価が上がるんですか。」
源助「それは、自分で考えろ。」
『………』
源助「明日香にはこいつらの監視役をしてもらう。
こいつらだけじゃ、何かと心配だからよ。
明日香、頼んだぞ?」
「はい、お義父様。」
源助「あぁそれとな、所長とはもう話はついんてんだが、明日香にはこいつらが住んでる宿舎に住んでもらう。」
「……え、」
源助「監視役として、常にこいつらの近くにいてもらわねぇとな。」
「……承知しました、お義父様。」
帰り道、みんなの後ろを義父と歩く。
源助「……何か不満でもあんのか?」
「……え?」
源助「あいつらの中の誰かが幹部になるのが嫌か?」
「……別に、そうじゃありません。
ただ、どうして彼らなんですか?」
源助「……?」
「彼らより幹部に相応しい人間はたくさんいます。
なのになぜ彼らなんですか。」
源助「……お前は、ほんとに極道が嫌いなんだな。」
「………」
源助「そんな顔すんな。
俺があいつらを選んだ理由が、お前にもいつか分かるさ。
それまであいつらのこと頼んだぞ?」
「お義父様……」
源助「な?」
「はい、お義父様。」
義父の笑顔があまりにも優しくて、そう返事をするしかなかった。
.