任侠ヘルパー
□任侠ヘルパー
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‐事務室‐
羽鳥顧問が、本村さんをタイヨウから出てかせると言ってきた。
園崎「そんな一方的な。」
弥生「これまでの暴力行為は、契約書の集団生活の秩序を乱す行為に該当します。」
園崎「でも、本村さんには遠縁の親戚しかいませんし。
急にそんなことを言っても、」
弥生「連絡は本社から致します。
我々が低姿勢になる必要は全くありませんので。」
彦一「目障りな奴は追い出すわけか。」
園崎「翼くん。」
弥生「目障りだからではなく、効率を落とす存在だからです。」
彦一「高級老人ホームでもそういう奴は追い出すのかよ?」
弥生「そちらではできる限り入居者の希望を尊重しています。
それに見合う料金設定をしていますから。」
彦一「結局金かよ。」
園崎「翼くんって。」
晶「私は高齢者に理解と協力を求めてるのよ。
綺麗事言ったって、料金が安ければサービスには限界がある。
その状況で介護する方法は二つ。
ヘルパーがボランティア精神で働くか、利用者がその施設に合った介護を受け入れるか。
それでも、介護を受けられないよりマシでしょ。」
彦一「………」
「……サービスって、お金なんでしょうか。」
晶「え?」
「サービスは、私達が利用者さん達に快適に過ごしてもらえるようにすることであって、お金の問題ではないと思います。
利用者さんを、効率を落とす存在とかとして見るのも間違ってると思います。
私はそんな介護は、介護じゃないと思います。」
それだけ言って事務室を出た。
‐洗面所‐
事務室を出た私は洗面所にきた。
洗面所には、美空さんとりこさんがいた。
晴菜「馬鹿ですよね私。
恥ずかしいに決まってますよね……」
りこ「………」
「………」
‐屋上‐
一人屋上にきた。
一人でいると、いろんなことを考えてしまう。
そんな私のもとに、りこさんがきた。
りこ「明日香。」
「……あ、りこさん、どうしたんですか?」
りこ「どうしたはこっちの台詞だろ。」
「え?」
りこ「どうしたんだよ、事務室で何かあったか?」
「………」
りこ「明日香、」
「……りこさん、サービスって、何なんですかね。」
りこ「……は?」
「サービスって、お金なんですかね。」
りこ「何言ってんだお前。」
「私も、何か分かんなくなっちゃって。
ほんと駄目ですね、ははっ……」
りこ「………」
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