任侠ヘルパー

□任侠ヘルパー
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‐タイヨウ‐


三樹矢「あーあ、何かやる気出ないっすね、りこちゃんいないと。」


五郎「お前あんなおっかねぇ女のどこがいいんだよ?」


三樹矢「どこってそりゃあ……」


西郷「尻の張りがええ。」


三樹矢・五郎『はぁ?』


木戸「あのほら気の強そうな目もええのう。」


曽我「最近のお姉ちゃんにはない凛とした感じがええなぁ。」


織田「あの顔つきは戦後あんまりいないな。」


三樹矢「ほら、じいちゃん達にも大人気じゃないすか。」


五郎「嬉しくねぇだろ本人は。」


木戸「ねぇさぁ、今日りこちゃんどうしたの?」


二本橋「お休みです。


身内の方の一周忌だと伺っていますが。」


「……りこさんがいなくて寂しくて仕事が手につかないならあんたも一緒に行ってくれば。」



そう言って三樹矢を睨みつけて仕事に戻った。



三樹矢「明日香?」


五郎「あいつ何怒ってんだ?」








































‐休憩室‐


お昼休憩で休憩室にくると、三樹矢達がお昼を食べていた。



五郎「しっかしよく考えりゃ情けねぇ話っすよね兄貴。


あんな若い女に組長任しちまうなんて。」


彦一「まぁな。」


三樹矢「りこちゃん聞いたら怒りますよそれ。」


二本橋「跡継ぎが、他にいなかったんじゃないでしょうか。


四方木連合は伝統のある組です。


隼会に入ってからも代々四方木家の方が跡を継いできたそうです。」


五郎「だからって普通女に継がせねぇだろ。」


二本橋「本家の、配慮でしょ。


昔からの古参組員は四方木家の杯受けてるはずですからね。」


六車「古参組員はね。」


三樹矢「どういう意味っすか?」


六車「納得いかない奴もいるでしょ。」


彦一「………」


「……どんなに跡継ぎになりたくても、跡を継がせてほしいと懇願しても継がせてもらえない人だっているのよ。」


五郎「は?」


二本橋「どういうことですか?」


「……形見は、守りたくなるもんですから。」



それだけ言って休憩室を出た。


あーあ、最近分かんないや。






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