任侠ヘルパー

□任侠ヘルパー
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‐タイヨウ‐


宿舎からタイヨウに戻ってくると、鷲津が美空さんに怒っていた。



鷲津「誰に言われてんなことやってんだ?


息子が花を送ってるって?


ふざけるな!」



私は、鷲津の元に走った。



「鷲津さん、落ち着いてください!」


鷲津「うるせぇ!」


五郎「てめぇ何晴菜ちゃんに因縁つけてんだよ!」


「黒沢さん、!」



鷲津に掴みかかった五郎さんを押さえつけ、箸を突き出した鷲津。



五郎「……!」


鷲津「玉取られてぇか、ん?」


「鷲津さん!」



私が鷲津の手を掴もうとした手を、和泉さんが止め、代わりに彼が鷲津の手を掴んだ。



和泉「鷲津さん!


鷲津さん聞いてください!


夏夫さんの息子さん、入所して一回も見舞いにきてないんです!」


鷲津「それがどうした!」


和泉「だから彼女は気を使って家族の振りをして!」



すると、和泉さんまでもが鷲津に吹っ飛ばされてしまった。


鷲津「おい、そんなこと誰が頼んだ、え?


物言わねぇじじいが頼んだか!


すぐバレるような嘘つきやがって、てめぇら全員偽善者だ!」


彦一「おいおっさんいい加減にしろよ。」


鷲津「うるせぇ!


こっから出せ。


こんな薄汚え場所にはこれ以上いたかねぇ!


契約は解消だ!」


二本橋「鷲津さん落ち着いてください!


部屋戻りましょう。」


鷲津「帰る!


俺は帰るって決めたんだ。」


彦一「帰る場所なんかあんのかよ?」


鷲津「そうか、分かったよ。


俺はな、この辺り仕切ってる極道、鷲津組の組長だ。」


『えっ……』


鷲津「てめぇら、これでも俺の世話しようってのか!」



鷲津が刺青を見せようとした瞬間、彦一さんが電気を消した。


その隙に和泉さんと二本橋さんは鷲津にテーブルクロスをかけ、鷲津は部屋に連れて行かれた。



「………」






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