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□授業をエスケープ
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数学なんてだいっきらい!!
えっくすだのわいだのって知らないよそんなの、
そんな暗号、見るだけで目眩がしてもともとおかしい頭が余計おかしくなる。
今日みたいな絶好のサボり日和、数学なんて馬鹿らしくてやってられない。
屋上の少し重いドアを開けて、日当たりの良い場所に向かうが、
そこには既に先客がいた。
『よーい、ち、さん、』
先客はなんと洋一さんでこの青空の下気持ち良さそうに眠っていて。
不覚にも俺はその寝顔に見惚れてしまった。
(めちゃくちゃ、可愛いし…)
目の前で無防備に可愛い顔して寝てる年上の恋人に、執着心と悪戯心のプレゼント。
軽くリップ音をさせて柔らかい頬に口付ける。
『…だいすき、ですよ洋一さん。一生離してあげませんから、』
耳元に囁いて、まるでどこかの漫画の1シーンみたいだ、と心の中で独り言。
「…お前ってこういう事するキャラだっけ、」
眠っているはずの恋人が馬鹿にしたような笑みを浮かべて俺を見る。
でもそれは、想定内の事で。
もっと言えば俺にとってこれが想定内だって事は洋一さんにとって想定内で。
だけど、
そっぽを向いて耳を赤く染めながら、貴方が言った言葉だけは、想定内じゃなかったみたいだ、
「一生離れないでいてやるから」
「今度はちゃんと口にしろよな、」
授業をエスケープ
(退屈な授業なんて貴方と一緒に抜け出して)
(今度は甘い甘いキスを唇に、)
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