メイビィ
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「それは…」
私は次の言葉に思わず期待を抱いてしまった。
私のことを想っていてくれるから心配してくれる、とか。
「それは、ともみがただ心配だから…
俺等って昔から兄弟みたいなもんじゃん?」
屈託の無い声で、悠也は言った。
私にとって、その "兄弟" と言う言葉はまるで凶器だ。
第一、何を自惚れていたんだろう私は…
私は悠也の凶器の様なその言葉に一筋の涙が流れた。
「と、とも…」
悠也は私の肩に手を置こうとしたが私は悠也の手を振り払って叫んだ。
「悠也は私と何年一緒に居るの?
悠也は私のこと何もわかってない!」
そう言って私は屋上を走り出た。
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