GS:葉月/姫条/他

□Coral reef Cafe
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「うわぁ」

 一口飲んだ彼女の瞳がキラキラと輝く。
 キレイだ。

「美味しいね、珪」
「……ああ」

 頷くと、嬉しそうに笑ってくれる。
 幸せそうなその笑顔が見られるだけで、俺はもう十分だ。

「こんな喫茶店があったなんて知らなかったな」

 きょろきょろと店内を見回し、テーブルの調度品やメニュー、店員の様子を観察するのは、もともと喫茶店の店員をしていたときのクセだ。

「知ってたら、ここでバイトしても良かったかも」

 満足そうなのは良いけど。
 コーヒー好きの彼女は連れてきたら絶対喜ぶと思ったけど。
 これは予定外。

「ダメだ」

 即座に言うと、不満そうな顔をする

「なんでよー」

 こいつ、高校の時から鈍感だから、自分のことわかってない。
 おまえは姫だから。
 これ以上おまえを好きな奴が増えたら困るだろ。

 はっきりとそう言ったら、顔を真っ赤に染めて笑ってくれた。
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