GS:氷室/マスター
□笛は歌う
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早朝の空気は気分を引き締めさせる。
朝は誰もが清々しく清涼な気分に包まれる。
誰も来ていない学校は静かだが、それは決して放課後の学校の姿ではなく、これから始まる日常に校舎さえもざわめきたっている。
今日は抜き打ちで小テストを用意していた。
藤井もこれは予想できないだろう。
出来る生徒も完全に予想がついている。
「……フフフ」
堪えきれない微笑が零れる。
いけない。
これではいつ他の生徒にばれてしまうことかわからない。
顔を引き締め、私は職員室へ歩き出した。
*
そのとき。
細い細い音色が聞こえた。
*