GS:氷室/マスター

□コイビトの境界線
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 背の高いすらっとした背中はいつもピンと張っていて、曲がっている姿をみたことがない。

 微かに混じる優しい空気に目を上げると、いつもそこにあたたかい眼差しはあって。
 手が髪を撫でる。

 いつも真っ白でノリの利いたシャツに手をかける細い指は、滑らかにボタンを外していく。



 て、え?
 ええ!?

 これは何?なんなの!?



『時間だ。起きなさい』

 静かで空気みたいに透き通った声が囁く。
 しっかりと紡がれる言葉に、私は頷いて目を閉じた。
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