GS2&4:読切

□monologue
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 目を開けたら目の前にアイツの顔があって、まだ夢の続きを見ているのかと思った。

「…寝ぼけてるの?」

 だって、ありえない。
 こいつがこんな風に女らしく見えるなんて、信じられない。
 だけど、やっぱりあいつで。
 こんな風にかわいいとか思ったのは本当で。

 チャイムの音で一気に覚醒する。
 これは現実で、目の前には確かにアイツがいて。
 そんな普通なことが嬉しいなんて感じている自分がいる。

 てゆーか、授業!

「ーー寝癖は?」
「え?」
「どっち?」
「ないよ」
「遅い!」

 チョップを受けた様子はやっぱりいつも通りで。
 だけど、いつもよりも何だか数段可愛くみえてしまって。

「じゃあな」

 俺の中であかりの存在が大きくなっていく。
 それは全然不快じゃなく、むしろ波に揺られる心地よさを与えてくれる。
 あかりがいない週末、あかりのいない日常なんて、考えられなくなってる。

 最初は本当に邪魔だと思った。
 だって、なんだか簡単に懐いてくるくせに、他の女たちとはちがって媚びてくるわけでもなく、何かを要求してくるわけでもない。
 今まで全然周りにいないタイプで、苦手なんだって、思った。

 ただ普通の友達みたいに接してくれるあかりにだんだんと心が開いていくのを感じた。

 たまに俺にチョップしようとしてくる無謀も、それで返り討ちされて痛がってる姿も、だんだんと微笑ましく、愛しくなって。
 その表情のすべてを、その視線のすべてを俺だけのものにしたいと思ったのは何時だったか。

「遊園地?
 うん、もちろん行くよっ」

 誘ってみたら、本当に心から喜んでくれる姿がとても愛しかった。
 あかりがこれからずっと一緒にいてくれたらいいと、願った。



 なあ、あかりはどうなんだ?
 たまに手をのばしてきたり、服を引っぱったり、寄り添ってきたり、見つめてきたり…チョップしてきたり。
 俺のこと、どう思ってるんだ?
 なあ、教えてくれよ。

 伸ばされた手を繋いだら、あかりはただ嬉しそうに笑うだけで。



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