SENTENCE

□起きたらソコは透明だった
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透明な世界。

ぼくのてのひらから太陽が透けて見えるよ。
ぼくのあしのさきから地上が透けて見えるよ。

でも、太陽も地上も透明だから、
なにもかもがいっしょくた。

境界線がどこなのか、わからなくなる。

ぼくがカラダを動かさなければ、
ぼくはなにもかもと同一化できるの。

不思議な世界。

もう、お母さんがどこにいるのか分からなくなった。
もう、声も出ない。

ぼくは泣き出した。

しかし、涙は透明で、ぼくが泣いていることは誰も気づいてくれなかった。

悲しい。
寂しい。

ああ、これからどうやって生きようか。




おわり。





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