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□君の愛
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「皆わしを嫌っとる。
長年一緒だったモートやモーリスまでわしをパーティーに呼ばんのだ。
奴らが嫌っとるんだ、皆わしのことが嫌いなのだ!」

本来隊長よりずっと背の高いジュリアンが
ぎゅっと縮こまって彼の腕の中で涙を流している。

これは困ったとジュリアンを見つめるが、
震える肩が止まるはずがなく。

「リングテール、元気出せ」

「これが元気でいられるか!
皆のキングが
皆の嫌われキングになったのだ。
お前だってわしが嫌いなんだろ?
うわぁあっ」

事件の切っ掛けは些細な喧嘩だったらしい。

偶然王様チェアをモートとモーリスが壊してしまい、
それを怒ったジュリアンが土地を分割、
お互い関わらないと宣言したは良いものの
ひとりになったことのないジュリアンは寂しくて
ペンギンズに泣きついたのだ。

「別に皆が皆嫌いなわけじゃないさ。
確かにお前はウザくてムカつく奴だが…」

「ほらみろ!
お前もわしを嫌っとる!
わしはひとりぼっちなのだ〜!」

被害妄想の激しい奴だ、と心に浮かぶ言葉を飲み込み、
隊長は笑顔で言う。

「お前はウザくてムカつくくらい元気な奴だ!
いつもダンスして、ポジティブ。
皆を明るくしている!
そうだろ?」

「確かにそうかもしれんが…」

がっくり肩を落としたままジュリアンは続ける。





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