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□黄花
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「やあ、また君かい?
今日は君に会いたかったんだけど
こんな会い方はしたくなかったな」

「うざってぇな降りてこいよクソ野郎、
テメェの身体もこいつらと一緒にしてやるよ」

俺を赤と青が挟んでいる。

足元には鮮やかな血、
頭上には爽やかなクソ野郎。

かなりのイラつきを感じながら、そいつを見上げると、
相変わらずの笑顔で俺を見ていて。

「見てんじゃねぇよ」

「君だって私を見てるじゃないか」

「っ、チッ」

全力の舌打ちで返事をすれば、困ったように笑う。腹立つ。

「あ、怒った?」

「くたばれ」

「君は本当に単純だね」

「喧嘩売ってんのか」

挑発的な態度にムカついて、しかも俺を見下しやがってもっとムカついて、
これで喧嘩売ってねぇってんなら今すぐ殺す。

「そんな極悪人みたいな顔しないで。
本当はすごく無邪気で純真なんだから」

なにを言ってるんだか、こいつは。

「そりゃ俺じゃねぇフリッピーだろ。
俺には関係ねぇよ」

「いや、君のこと」

「だから、」

「君だよ、
私は君に言ってるんだ、フリッピー」

フリッピーと呼ばれて何か心臓が異常な動き方をした。

このクソ野郎は俺じゃない俺を“くん”付けで呼ぶから
言葉の矛先が俺であることが一発でわかった。





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