if 〜拍手のお話〜

□拍手連載(No Title)
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拍手連載その1。







久々に、学校に来た。
最近は仕事の依頼が立て続けにあったから、なかなか来ることができなかった。


教室に入る。
一年のときから持ち上がりで、代わり映えのないクラスメート。
ただ。
前来たときと、雰囲気がなにか違う。

席に着く。
とたんにクラスメートの何人かに囲まれる。
「ツン、久しぶりっ」
こいつは中谷 麻里(ナカタニ マリ)。
なにかと俺にお節介をやく。
特に、恋愛関係。
大きなお世話だっつーの。
「久しぶりだな。最近、忙しくて来れなかったから。」
「そっかぁ、大変だね〜。あ、あたし新聞見たよ!今回もすごかったね!」
こいつは矢城 美嘉(ヤシロ ミカ)。
呆れるくらい純粋な奴だ。
そして、かなりの情報通でもある。
「まぁな。なんたって俺は最強だし?」
「このナルシがっ」
俺の頭をぐしゃぐしゃとしているこのクソ野郎が、田畑 京太(タバタ ケイタ)。
かーなーり、馴れ馴れしい奴。
そして、馬鹿で変態でナルシ。
「わっ、こら、やめろっ!」
慌てたフリをしながら京太の腕を振り払う。
そして一発、
「ぐっ」
肘鉄を食らわしてやった。
京太が痛がるのをよそに、美嘉が話しかけてきた。
「そういえばツン、聞いた?今日、このクラスに転入生が来るんだって!」
「へぇ、どーりでクラスが落ち着きないわけだ。」
「しかも男子よ!カッコイイといいなぁ〜。」
「もう、すぐ麻里はそうなんだから・・・」
「んなこと言って、どーせ美嘉も期待してるんだろ?顔に書いてあんぞ。」
美嘉はえっ、と驚き、顔を背けた。
つーか、バレバレだから。

担任が来た。
「おーい、席に着けー。」
いつもより早く、全員が席に着いた。
どーせ転入生見たさだろう。くだらねぇ。

「えー、今日は転入生を紹介する。入って来なさい。」
担任に促され教室に入って来たのは。
「室屋 イズくんだ。」
「室屋 イズです。よろしく。」





こいつは。
どー見たって。




人猫、だろう。




続。
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