Under the blue rose

□act.23
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act.23<Ambition>



朝靄が立ち込める中、ギィと重たい門が開かれパカパカと馬の蹄の音が響いた。



それと同時にガラガラとした音が鳴り響く、その正体は馬車だった。ヒビキの家門入り馬車が、敷地内に入ったのを確認すると門は再び鈍い音を立てて閉まった。








「母さん…」


キィと扉を白い扉を開くと、そこには色鮮やかなバラが咲き誇っていた。




キラが来たのは、キラの母であるヴィアが住む屋敷だった。


キラの母――ヴィアは心優しい人物で、ユーレンの横暴さについて行けず、別れたのだった。まだ幼かったキラを一緒に連れて行こうとしたが、名門ヒビキ家の跡取りとなるキラを連れて行くことは叶わなかった。




キラのことが気掛かりで、何度も復縁を…と考えたがやはりユーレンに着いて行くことは自分にできない、と判断したのだった。



常に心配の種であったキラも、今ではすっかり成長しその心配は姿を消そうとしていた。



だが、消えるのではなくただ姿を隠していただけなのだと、まもなくヴィアは思い知る。





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