すばらしきこのせかい
□シキの願い
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(シキ編五日目・ギャグ)
5日目か…。今日も何とか乗り切らなくちゃな。
なのに…、こいつ何考えてんだ?
ミッションは出たんだ。
それなのに、シキの奴。
何か考え込んでる。
「おい、行くぞ。」
「…ネク?」
「…なんだよ。」
「今更なんだけどさ、しかもこんなことネクに言うのもどうかなって感じなんだけど…」
「…そう思うなら後にしろよ。ミッションが先だろ?」
「じゃあ、そう思うのやめるね。で、思ったんだけど…」
なんだよ、ソレ。
「このタイマー痛いよね、付く時。」
「…ん、ああ。痛いな。」
「なんか、理不尽じゃない?」
「それはそうかもしれないが…」
「そう! 理不尽なの! 考えてみて?」
あ、なんかテンション上がりやがった。
「私たち、すんごくリスクが多いよね!? 毎日のミッションがこなせなきゃ消滅。7日間生き延びなきゃ消滅。ノイズと戦って負けたら消滅。その上、死神の妨害もあったりしてさ!?」
それはそうだけど。
「リスクは承知の上での参加だろ? それでも帰りたいから…」
「承知は承知でも、多くのリスクを背負ってるのは事実でしょ!?」
「あ、ああ…」
「だから、こんなことで痛み与えなくてもいいじゃない!って思わない!?」
「…まあ、な。」
っと、いけない。ペースに飲まれてる。
「でも、今日のミッションは出たんだし、後2回我慢すれば済むだろ? 大体、そんなこと話し合っても意味ないじゃないか。」
「後2回も、確実に痛みを与えられるんだよ!? ヤじゃない!?」
「最後まで生き残ればこんなゲームとはおさらばだろ? だから、早くミッションを…」
「…ふーん。」
「な、なんだよ。」
なんか、シキの顔が意地悪いぞ?
「…そっか、ネクって、そっちか。」
「は?」
「Mなんだ。」
「は!?」
「実は毎日タイマー付くの、楽しみにしてたんでしょ。」
「んなわけあるかよっ!」
断じて無いぞ!
「『ああ、今日ももうすぐミッションが来る。ドキドキ、ワクワク』」
「バカだろ! お前! もう行くぞ!」
くだらない悩みは放って置こう。
「おいっ!! シキ!! 分かってるのか!? 今ノイズと戦ってんだぞ!?」
「うーん、やっぱり納得できないのよねー。」
まだなんか考えてるしっ。
「戦えって!! お前が考え込んでるせいで、そのブタ動いてないぞ!!」
「ブタじゃない! ニャンタンは…………ニャンタン! そうだ! いいこと考えた!!」
「え!? おい!」
どこ行く気だー!!
「ネク、あとはよろしくっ♪」
こらっ! よろしくじゃないだろ!?
「待てよっ!! パートナーがいないと…」
わっ!! やばいっ!!
シキを追わないと…ってか、逃げないとー!!