ガンダム00

□ニル×アレ(ハレ)
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(BL・ロクハレ)


ぬ想い




 ロックオンがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいると、隣りにいるアレルヤが言った。

「今日の夕食、あんたが作ったシチューがいいな。」

 ロックオンは新聞に目を落としたまま返事をする。

「自分で作れよ、ハ・レ・ル・ヤ。」

 ムッとするハレルヤ。

「あんたの作ったやつが食いたいんだ。」

「こないだ作り方教えただろう、ブーケガルニから。」

「教わったのはアレルヤだ。」

「お前だって覚えただろ?」

「オレは料理なんてメンドーな事しねーんだよ。」

「じゃあ、わざわざ出て来ないでアレルヤに任せりゃいーじゃねーか。」

 まだ新聞から目を離さないロックオンをしばし見て、ハレルヤは立ち上がった。

「不公平だ。」

「ん?」

「ロックオン! あんた、オレじゃなくアレルヤが頼んだらすぐ引き受けただろ!」

 顔を上げてハレルヤを見る。

 と、そこには怒りじゃなく、拗ねたような顔が。

 それを楽しげに眺めて、ロックオンは返事をした。

「…まあ、そうかもな。」

 プイッとハレルヤは顔を背ける。

「やっぱりかよ。」

 ロックオンは笑った。

「そう思うなら、アレルヤに頼むように言えよ。」

 不機嫌な顔は治らない。

「あいつ、あんたに悪いからって自分で作ろうとしやがった。」

「どっちにしてもシチュー食えるだろ?」

「だから! オレはあんたのが食べたいんだ!!」

 怒るハレルヤを眺め、楽しそうなロックオン。

「へーぇ。そんな気に入ってくれたワケ? 俺の作ったシチュー。」

「…べ…別に…自分で作りたくないだけで…、たまたま…口に合っただけで…」

 ハレルヤは口ごもった。

「アレルヤが作るってんのに、それを止めて出て来たんだよなー♪ハレルヤ。」

「ア、アレルヤだって、あんたのが食べたいって思ってるんだ、言わないだけで。」

「アレルヤも、『お前も』そう思ってんのか。」

「み、味覚は一緒だから…」

「どーしよっかなー。作ってやろっかなー。」

 思わせぶりにそう言う。

「作る気あるなら作れよ。」

「ふーん、そーゆー態度なら作らない。」

「!? どーゆー態度なら作るってんだ!?」

 にまあ、とロックオンは笑った。

「“お前”が“お前”の気持ちを“正直に”言ったら、作ってやる。」

 くっとハレルヤがたじろいだ。

「き、…気持ち…って何の…」

「今の、俺に対する。」

 ハレルヤが困っているのを見るのは楽しい。とロックオンは思っている。

 人格が入れ替わりそうなのを見て取って、ロックオンは立ち上がった。

 そしてハレルヤを抱き寄せる。

「おっと、今引っ込んだらシチューはお預けだ。」

「あんたな…。」

「ホラ、言えって。」

「…何を…」

「き・も・ち・だ。」

 ハレルヤは黙った。






「言っとくが、このシチュー、別に俺特製、とかじゃないからな?」

「いいよ、何でも。うまいから。」






─────長いキスがしたい─────













ごめんよ、アレルヤ。
出すつもりだったんだけど、駄目でした。

ロックオン、あとで慰めておけ。

byつきしろ


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