ガンダム00

□蟻×ニル
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 全く予期せぬまま、自分が戦いに従事しているとバレてしまった。

 そして恐らくは、向こうも軍関係者だ。



 どこまで知られた?



 ソレスタルビーイングの事は?



 彼が軍人で、どこかの軍に所属しているとして、調べられるのはどこまでだ?



 ロックオンの胸の中で警鐘が鳴る。

 危険な男だ。

 もう、拘わらない方がいい。



 そう、もう拘わらない方がいい。

 何度もそう自分に言い聞かせるものの、次の瞬間にはまるで言い訳するように、反対の意見が出てくる。



 どこまで知られているのか、確かめなくては。

 そして何か疑われているようなら、彼の目を逸らさせなくては。



 ぐるぐると同じことを悩み、二日後、ロックオンはまたあの酒場に行った。



 ゲイリーは前と同じ席にいた。



 どくん、と鼓動が高鳴る。



 近づいては、



 いけない。



「よ。」

 軽く手を上げるゲイリーに、ロックオンは笑顔を向け歩み寄った。

「来てたのか。」

「約束、したからな。」

 ロックオンは首を傾げながら席につく。

「約束?」

「しただろ? 次に会う時まで預ける。」

「あ、…ああ、そうか…。」



 また二人で店を出た。

 歩きながら、ゲイリーが手を出す。

「約束。ホラ、出せよ。」

 苦笑いを返すロックオン。

「わ、悪い…。今日会えると思ってなかったから、持ってねーんだ。」

「ふん、ま、いっか。」

 疑うように横目で相手を見て、ゲイリーはニヤリと笑う。

「次会う口実が出来たってことだな?」

 差し出していた手を上の方に持って行き、相手の耳たぶに触れる。

 ビクンと体を震わし、ロックオンは一歩身を引いた。

「ちょっ…」

 ゲイリーの手はするりとロックオンの後頭部を捕え、次の瞬間、唇が合わさった。

「!!」

 予想してなかったわけじゃない。

 でも、ロックオンはたじろいで動けなかった。

 長いキスの間に、ゲイリーは相手を引きよせ腰に手をまわした。

「あ…。」

 唇を離すと同時に、腰に収められていた銃を取り出すゲイリー。

「お前、ホント、ウソツキだなぁ♪」

 楽しそうな笑顔を見せ、ゲイリーはそう言った。

 ふいっと目を逸らし、ロックオンは困ったように笑って見せた。

「ホラ、…それ…返しちまったら…会えなくなるだろ?」

「なるほど?」

 言って身を離し、ゲイリーはくいっと顎で前方を示した。

「来いよ。」



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