ガンダム00

□走馬燈
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 人生何が功を奏するか予想がつかない。

 奴が死んだあと、こんなことならもっと早くに殺しておくんだった、と思ったこともあるが奴がいなかったらもしかすると皆生き残れなかったかもしれない。
 奴は意外と俺の人生において重要な役どころだった。

 人に媚び諂い、人を脅し蹂躙し、俺達は、いや、俺は生き延びた。




 たまに菓子が手に入ると、俺は町に居る浮浪児にそれをくれてやった。
 すると面白いくらい群がってきた。
 その餓鬼どもの目を見て思う。

 これが俺の昔の姿か。

 笑えた。
 世の中の大人は子供の事を、純真無垢だの、あどけないだの、天使だのと言うが、こいつらのどこが純真で無垢なんだか。

 俺は知っている。
 こいつらの中にドロドロとした感情が渦巻いている事を。
 てめぇが生きることで精一杯で、人の事を構っている余裕なんてない。
 どうすれば大人が憐れんでくれるか、どうすれば安全な場所を確保できるか、どうすれば死ななくて済むか。
 こいつらの中にはその答えがもう存在する。
 そしてその通りに生きている。それだけのことだ。




 色々なところで色々な仕事をした。
 その殆どが人を殺す仕事だったがそのことに不満はない。むしろ楽しいくらいだ。

 今度の仕事はまた面白そうだ。
 金を積んだ奴らは敵に一矢報いればいいと言っていたが、それじゃつまらない。

 お前らの国の名を、世界にとどろかせてやろうか?

 そう持ちかけると嬉々とした顔を見せやがった。
 所詮神に心酔した小国。
 神に救いを求めながら俺に金を積むことの矛盾にさえ目が向かなくなっている。
 もう滅ぶ国だ。

 なら、その散り際を演出してやんのも親切ってヤツじゃねーか?
 積まれた金はそのくらいの事をしてやってもいいくらいの額はある。
 
 趣味と実益を兼ねるってのはいい気分だ。
 存分に楽しませてもらうさ。











んー、まあ、こんくらいの過去はアリかな、ってことで。
byつきしろ


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