ガンダム00

□マフラーと手袋!!
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(BL気味・ロク刹?・バレンタイン企画・フリー)

マフラーと手袋!!



刹那は一人、ぶらぶらと街を歩いていた。
次のミッションまで時間がある。
そのため、暇潰しに、と街にやってきたのだが。
今日は2月14日。
刹那は全く気付かなかったが、バレンタインデーだ。
どこを歩いてもカップルだらけだったりする。
することもなく気の向くままに歩いていた刹那は、急に足を止めた。
雪が降り出したのに気付いたからだ。
刹那は、はあ、と白い息を手に吹き掛けた。
それが、ただ単に冷たくなった手を温めるために吐いた息なのか、溜め息混じりだったのかはよく分からない。
しかし、降り出した雪も、周りでイチャついてるカップルたちも、鬱陶しいと思ったことは確かだった。
突然、強い風が吹いて、刹那は身を震わせる。

(やっぱり…………)

空を見上げて刹那は思った。

(エクシアを海に隠すんじゃなかった………)

ミッションが来たら、真冬の海に潜らなくてはならない。
そう考えるとひどく憂鬱な気分になった。

まだ、この雪の下でカップルたちを見ている方がいいかもしれない。
………いや、そもそもエクシアから出てこなければ良かった。

そんな事を考えていた時。

「よお〜刹那!」

後ろから思いっきり突き飛ばされて、刹那は前のめりに倒れそうになる。
しかし、突き飛ばした当人が「悪い、大丈夫か?」と軽く謝罪して支えてくれたため、なんとか倒れずにすんだ。
体勢を直して後ろを向くと、そこにいたのはロックオンだった。
彼はまた、「よっ!」と軽く手を上げる。

「それにしても……お前寒そうな格好してるな」

そう言われて刹那は自分の姿を見下ろす。
ロックオンは、分厚いジャンパーを着ていたが、刹那はいつもの服装に一枚薄い上着を着ていただけだったため、実際すごく寒かった。

「雪降ってんのにそんな格好でいたら風邪ひくぞ。」

ロックオンはそう言って、刹那の頭に乗った雪を払いのけた。

「……次から気をつける。」

刹那自身、失敗したと思う。
少し考えれば分かる事なのに、ちゃんと暖かい格好をしてこなかった自分が恥ずかしくて、刹那は赤面して少し俯いた。
そんな刹那を微笑ましい気分で見ながら、ロックオンはひとつ提案をした。

「そうだ。屋根の下行かないか?」

それは質問する形ではあったが、ロックオンは返事も待たずに刹那を引っ張っていく。
すぐ側にあった公園の隅の、屋根の下のベンチまで刹那を連れて来ると、ロックオンは刹那の服に付いた雪をまた軽く払いのけて、ベンチに座らせた。
それから、ベンチの隣の自販機に目を向ける。

「刹那、なんか飲むか?」

「いや、別に……」

刹那はそう断ったが、ロックオンは「遠慮するなって」と言って、財布を取り出している。
いつもだったら、過剰なお節介が鬱陶しいと思うかもしれないが、刹那もすることがなくて退屈していたし、彼のおかげで“暇潰し”という本来の目的が果たせているので、少し甘えているのもいいかもしれない、と思っていた。

「はい、どーぞ。」


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