ガンダムSEED,DESTINY
□ゲーム
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(BL・アズクロ・ギャグ)
「なあ、ちょっといいか?」
クロトが、部屋でくつろいでいるオルガとシャニに声を掛けた。
何だか珍しく困ったような顔のクロトに、二人は顔を見合わせる。
「どうかしたのか?」
オルガが尋ねると、クロトは「うーん」と難しい顔をした。
「あのおっさんの事だけど…なーんか、たまに、すごーく気持ち悪い時、ない?」
「気持ち悪い?」
「どんなふうに?」
シャニも話に加わる。
「どんなって、…うーんと…、すごーく顔近かったりして、イヤミ言ってくるかと思ったら、フツーに褒めてきたり、…あ、背中撫でられた。」
聞いている二人はしばし黙って考えたが、オルガが明るく言った。
「ま、ほっとけよ。今んとこ害はないんだろ?」
「…うーん、害はない…かな。」
そう言ってから、また続ける。
「でさ、気持ち悪いから、怒らせてやろうと思って色々悪口言ったんだよ。そしたらあいつ、『はいはい、キミがボクのコト好きだというのは分かってますから。キミの表現は裏返しなんですよね』とか吐かしやがって…。」
シャニがにやっと笑った。
「オレ、そのゲキタイ方法知ってるよ。」
「え? マジ? 教えてくれよ。」
クロトが近付くと、シャニは立ち上がってオルガに聞こえないように耳打ちした。
「マジでそんなんで大丈夫なのか?」
「うん、やってみなよ。」
にこっと笑顔を見せるシャニ。
「分かった。サッソク試してみる。」
クロトはそう言うと、喜び勇んで部屋を出て行った。
「おい、シャニ。…お前、またくだらねー事クロトに教えたんじゃ…」
「だって、面白いんだもーん。見に行こうぜ、オルガ。」
休憩室にいるアズラエルを見つけると、クロトは少し緊張して近付いていった。
「おや? クロト、何か用ですか?」
「いや? 別に。」
少し離れた場所で立ち止まると、アズラエルが歩み寄る。
「ボクに会いに来たんですね? 可愛いなあ、キミは。」
───来たっ!
鳥肌が立つのを我慢して、クロトは身構えた。
「どうしたんです? 無口ですね、珍しく。」
アズラエルはクロトの頬に手をやり、耳元に口を近付ける。
「ボクと同じ時間を過ごしたいんですか?」
───よ、よし、やるぞ。
クロトは、意を決してシャニに言われた事を実行した。
ガシッ。
アズラエルに抱き付き、見上げて一言「好きだよ。」
───これでおっさんは、びっくりして逃げ出すハズ!
「……。」
アズラエルは少し驚きの表情を見せたが、次の行動はクロトの予想外だった。
ガシッ。
───え?
「嬉しいですねえ。そんなにハッキリ告白してくれるなんて。」
───あれ?
「ボクも好きですよ?」
───ちょっとっ…
「じゃあ、ボクの部屋でもっと語り合いましょう。」
───マテ!
「さあ、行きましょう。」
「あ、いや、ちょっと、その…」
「今更、何恥ずかしがってるんです?」
「さっきのは違っ!」
「あんなハッキリ告白しておいて。」
「あれはシャニが!」
「…ふうん。ナルホド。シャニからのプレゼントってわけですか。なら、ますます受け取らなくては。」
「嘘だ! ウソ! 冗談だからっ!」
逃げ出そうにも、しっかり掴まえられていて逃げ出せない。
「今更そんなこと言ってもダメですよ。」
まるで連行でもされるように、クロトは連れて行かれる。
「わー! やめろっ! シャニ! てめー嘘つきやがったな!?」
姿の見えない相手に文句を言ってみるが、答える相手はいない。
「やめろっ! 離せっ! おっさん!」
クロトの声は、虚しく遠ざかって行った。
「な、面白かっただろ?」
「…お前な…。」
「っくしょー! シャニ! ぶっコロス!」
あ、いや、まあ…あれだよ。
じゃ!そういうことでっ!
byつきしろ