ガンダムSEED,DESTINY

□プレゼント
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(アスカガ・ギャグ)


 プラントの代表であるラクスが、オーブの国家元首であるカガリとの会談の為に地球に下りた。キラはそのお供で一緒にオーブを訪れていた。
 会談は滞りなく終わり、アスランも交えて久しぶりに4人で食事をしたり、ひとしきり会話を楽しんだ。その後、ラクスがカガリの部屋に泊まる為、アスランとキラは送って行った。
 2人を送り届けると、ホッと息をつき顔を見合わせるアスランとキラ。
「今日のお役目はこれで終わりかな。アスラン」
「ああ、そうだな。」
「うふっ。女2人で何の話かなぁ。ボク達の悪口言ってたりして。」
 キラが悪戯っぽい笑みでそう言うと、アスランは真面目に返した。
「いや、あの2人が人の悪口言い合ったりしないだろう?」
 キラはぷぷっと吹き出した。
「やだなあ、冗談だよ、アスラン。」
「え、あ、そ、そうか。」
 その反応にもキラは笑い、「そうだ!」と声を上げた。
「ねえ、これから君の部屋へ行っていい? ボク達も久しぶりにゆっくり話そうよ。」

「相変わらず、キレイにしてるね。」
 きちんと片付いた部屋を見て、キラが言った。
「お前って、意外にいい加減だからな。」
 アスランがそう言ったが、キラの部屋もそれ程ちらかっているわけでは無い。ただ、几帳面なアスランの目にはちらかって見えるらしい。
 2人はとりとめのない話をして笑い合ったが、途中でキラが部屋の一角を見て「あれ?」とつぶやいた。
「ん? どうした?」
「…ハロ、また作ってるの?」
 ハロらしきものが作りかけで置いてある。しかも見た事のない色だ。
キラは内心、アスランがまたラクスにプレゼントしようと思っているのかと心配になった。
 アスランは少し照れたように笑い、答える。
「カガリにあげようと思って…。もうすぐ誕生日だろ?」
 あげる相手がラクスではないと知りホッとするキラだったが、一つ気になる事を口に出した。
「…アスランってさあ…。」
「ん?」
「…ワンパターンだよね?」
 キラに見せようと、ちょうどハロを持ち上げたアスランはそれを落としてしまった。
 ガチャッ。
 キラは笑顔で続ける。
「フツー、元カノにあげた物と同じ物、あげないよね? 喜ばないんじゃない?」
「ま、ま、前にカガリは、ラクスと一緒にハロで楽しそうに遊んでたぞ?」
「いや…、彼氏からの誕プレなら、他の物がいいんじゃないかな?」
 落としたハロを拾い上げ、アスランはいじけたようにつぶやいた。
「…今からじゃ…他の物を作る時間もないし…」
「アスランがそーゆーの得意だっていうのは分かるけど、別に買ってきた物でもいいんじゃない?」
 キラはそう言ってから吹き出した。
「? 何がおかしいんだ?」
 わけが解らず、アスランは尋ねた。
「ぷっぷぷっ。ごめんっ。そーいえばいるよなーって思って。」
「いるって?」
「たまにさ、歌が得意だからって自作のラブソング録音してプレゼントしてさ、思いっきり彼女に引かれてる奴、いない?」
「……。」
 返事をしないアスランを見て、キラが気付く。
「あっごめん! 別にアスランがそーゆー奴だって言ってるんじゃないんだよ? ただふと思い出しただけで。」
 まだ落ち込んでいる様子のアスランに、お詫びのつもりでキラは言った。
「ボクが、それとなく欲しい物を聞いといてあげるよ。心配しないで、アスラン。」


 次の日にはプラントに戻ったキラは、カガリに電話をした。
「で、カガリ、アスランから何もらいたい?」
 キラは、全然『それとなく』じゃない聞き方をした。
もう全て、会話の一言一句まで筒抜けの状態である。
「えー? 何って…。んー、アスランがくれるなら何でもいいけど…。」
「でも、ハロは引くでしょ?」
「…うん、さすがにハロはちょっと…。」
「じゃあ、はっきり言っといた方がいいよ。アスラン、そーゆーの疎いみたいだから。」
 カガリはまた、うーんと考え込んでから「あ、」と声を上げた。
「随分前だけど、アイツにハウメアの守り石あげたんだ。知ってるか?」
「ああ、うん。知ってるよ。」
「あーゆーのがいいかな。…なんか、肌身離さずって感じで…。それにほら、なんか交換したみたいでいいと思わないか?」
 一生懸命同意を求めるカガリが可愛くて、キラはくすっと笑った。
「うん、そうだね。じゃあ、『それとなく』言っとくよ。」


「お守りかぁ…」
 キラはアスランにそれを伝える前に、何か探しておこうと考えをめぐらせた。
「そうだっ!」
 思い立って向かったのはイザークの所。

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