ガンダム00

□心をこめて
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(沙慈誕生日祝い/2期後)





 チャイムが鳴って沙慈が玄関に出ると、そこに居たのは刹那だった。
「久しぶりだね。びっくりしたよ。」
 顔を見て一呼吸置いてから、沙慈はそう言った。
 ニコッと笑う沙慈とは対照的に、刹那はムスッとしたままだ。
「ちょっと付き合ってくれないか。」
 刹那は沙慈の後ろを覗きこんだ。
 沙慈も釣られて振り返ると、部屋の奥からルイスが顔を出している。
「ルイス・ハレヴィ、沙慈を借りるぞ。」
 沙慈がOKを出す前だというのに、刹那はもう連れていく前提でそう言った。
「え…と…。」
「了解。いいわよ。沙慈、行ってらっしゃい。」
 沙慈が困っている間にルイスも話を進めてしまっている。
 ルイスはにこやかに手を振った。




「仕事は見つかったか。」
 街に出ると、刹那は歩きながらそう訊いた。
「ああ、一応ね。宇宙に出る仕事じゃないけど、取り敢えず暮らしてはいけそうだよ。」
「そうか。…ルイス・ハレヴィの具合は?」
「体の方はもうすっかりいいみたいだよ。再生した手も問題なく動くし、痛みもないって。…あー、ただ、ずっと使ってなかった手を使うようになったから、どちらかというと再生した部分より、二の腕とか肩に負担がかかってるみたいでね、肩がこるってぼやいてたよ。」
 そう言って沙慈は柔らかに笑む。
 ふん、そうか、と刹那は小さく頷いた。

「こっちだ。」
 促されるまま沙慈はついて行く。
 刹那はスタスタと先を歩き、酒屋に入った。
 いくつかのボトルを見て回り、コレだ、と言ってレジに持っていく。
 沙慈はただ刹那の行動を眺めるばかりだ。
 自分は何の為に連れ出されたのだろうと小首をかしげ、店を出たところで訊ねてみる。
「…えっと…刹那、それは?」
「スメラギ・李・ノリエガが好きな酒だ。」
 即答に唖然とする。
 もしかして、買出しに付き合わされているだけなのか?と。
 その後も特に沙慈がいなければ困るような事態はなく、ただ刹那は淡々と買い物をしていた。

「昼はどうする。…俺はそこのファーストフードでも構わないが。」
「え、…ちょっとルイスに電話してみるよ。用意してくれてるといけないし。」
 沙慈が携帯を出してルイスに電話をすると、彼女は珍しく音声だけで電話に出た。
『いいよ?こっちはこっちで適当に食べるから、ゆっくりしてきて。』
 肩すかしなほどあっさりとした返事だ。
 普段ルイスは一人放っておかれるのを凄く嫌がる。
 珍しいなと思いつつ、沙慈は電話を切った。





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