ガンダムSEED,DESTINY

□光
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そこには3人の
少年が居た。
2人がとっくみあいの
喧嘩をし、
もう1人は
見向きもせず本を読む。




「こらっ!喧嘩は良くないって、父さんが言ってたぞ!」

「はあ?」



喧嘩の2人は
面倒臭そうに
ナタルを見た。




「何で喧嘩なんかしてるんだ。」

「だって、コイツ、ウザイ。」
「お前がウゼーよっ!」

「やめろ!」



怒っても
やめそうにない2人は
置いておいて、
ナタルはもう1人に
話しかける。




「お前も止めろよ。そばにいるんだから。」

「コイツらいつもこうだから。」

「いつもこうだって分かってるなら、なおさら…」

「いつもこうだって分かってるから、止めないんだよ。」



それを聞いてナタルは
溜め息をついた。




「ふん、まあしかたないか。お前じゃお母さんにはなれないからな。」

「オカアサン?」
「何、それ?」
「知らない。」

「知らないのか?」
と言ったのは
さっき泣いていた
少年。


「お母さんっていうのは、あったかいんだ。」

「へー」

「お母さんっていうのは、大きいんだ。」

「ふーん」

「お母さんっていうのは、優しいんだ。」

「そうなのか?」

「そうだ。こいつがそれになるんだ。」
ナタルを示す。


「大きくないぞ?」
「あったかそうじゃない。」
「優しいのか?」

「大きくなるんだ。あったかくなるんだ。優しくなるんだ。ちゃんとなるんだ。」



3人に向けて
大きく両手を
広げるナタル。

すると、ナタルの体は
ふわっと大きく
広がった




「ホラ、おいで。」



戸惑いながら近付く
3人を抱き寄せる。




「ホラ、お前も。」



ナタルに包まれた
4人の姿は小さくなり
光になった。
そして彼女自身も
大きな光になる。



目を開けると
眼前には
敵艦からの
一射の光が迫る。

すぐそばには
恐れおののく
アズラエル。



大丈夫だ。私がいる。怖がるな。



ほほ笑むナタル。




「マリュー・ラミアス、…夢を…」





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