企画

□2011年クリスマス
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クリスマス・イブ。

カップルや家族連れが多いワグナリア。いつも暇そうなこのお店でもさすがにこの時期は客のかき入れ時だ。


そんな中、何やら不機嫌な少女が1人。





「優ちゃん、目が笑ってないよ」

「入ってくる客、カップルばっか!こっちは忙しすぎてクリスマスどころじゃないってのに!ってか相馬さん、喋ってないで仕事してください!」

「ひどい!俺に八つ当たりしないでよー!」

優はたまった食器を片付けながら、怒りをあらわにしていた。そんな優を見ながら苦笑する相馬。これ以上とばっちりはごめんだな、と思いつつ、仕事にもどる。

キッチンには、無言のままキャベツを千切りにしている佐藤の姿もあった。実は優が機嫌が悪いのもこの男が原因のひとつでもあった。

優と佐藤が付き合って一ヶ月。お互い大学生ということもあり、多忙な二人はこれといったデートができることもなく、今にいたる。優にとって、付き合って初めてのクリスマス。遅番で閉店までバイトが入っていた二人は、期待していたクリスマスデートができるわけもなく、あくせく働いていた。

クリスマスはどう過ごすのかを佐藤から切り出してくるのを、優ずっと待っていたのだ。しかしイブ当日になっても何も進展のないこの現状と、店の混雑にイライラを募らせていたのである。









すっかり夜もふけて、閉店後のワグナリア。
久々に見る音尾の姿がそこにはあった。

デカいホールケーキを持った店長の周りに、私服に着替えたメンツがぞろぞろと集まってきた。

「今日も皆ご苦労だったな。クリスマスっちゅーことで音尾がクリスマスケーキを持って帰ってきたことだし、今からちょっとパーティーをやろうということになった。」

と店長が言うと、

「わーい!!皆でクリスマスパーティーやろうやろう!!」

種島がサンタ帽子をかぶって、はしゃぎ始めた。

「ホント種島は子供だな」

「佐藤さん!子供扱いしないでよー!」



そんなワグナリアメンバーを見ながら、
(まぁ…皆でクリスマスっていうのも悪くないかな…)
少し表情を緩めた優。

珍しくワグナリア店員の全員が揃っている。そして何より。大好きな人が隣にいる。それだけで幸せだ、と―――。

「なに笑ってんだ、優」

「うん?なんでもないよ」

「そうか」

笑顔を見せる優に、佐藤の表情も優しくなる。



「やっぱ優は笑顔のがいいな」

そう言うと、佐藤は優の手を取り、ぎゅっと握った。もちろん、皆に見られないように、握りあった手は背中に隠してこっそりと。

そんな佐藤をちらっと横目で見る優。佐藤の表情は髪に隠れてあまり見えなかったがなんだか耳が赤くなっているような気がした。



(そっか、潤さん、ちょっとは気にしててくれたんだ)
朝からイライラしっぱなしだったことを少し反省する。







「優、メリークリスマス」

繋がりあった二人の手が、今後も離れることがないように。
だって二人は、
始まったばかり―――。










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うぶな佐藤さんが書きたかったwwクリスマスパーティー中、二人はずっと隠れて手をつないだままっていうw

次ページはオマケです☆エロ注意ー(笑)






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