短編
□間違い
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私はいたって普通の女子高生だ。
家族もいるし、友達もいるし、成績は普通だけど毎日はそれなりに楽しい。
対して同クラの尾浜君はモテる。
顔がいいし、優しいし、大人っぽい。
私もそれは凄く共感できる。
でもなんでか分からないけど、私は尾浜君がちょっとだけ苦手だ。
友達に言ったら絶対「なんで!?」と驚かれるか、どやされるかだろうと思って言っていない。
前に2,3度会話を交えただけなのに、少し怖いと思う理由が自分でもわからない。
前の2,3度交えた会話だって、至って普通だ。
「みょうじさん。」
声が掛けられて、振り向いたら尾浜君だった。
『なに?』
なんかあったっけ。と思って聞き返すと、にこりと笑って
「ノート提出、みょうじさんだけでてなかったから。」
と教えてくれた。
『あっ!!ごめん忘れてた。今急いでとってくる。』
そういってノートを取りに行く際に、尾浜君が
「ゆっくりでいいよ。」
と笑ってくれた。
そんな感じだった。
けど私は少し怖かった。
怖かったから、『急いでノートとってくる』なんて言って逃げたのかもしれない。