08/11の日記

21:08
私と疫病神と時々死神
---------------
ふと気が付いたとき、いつの間にか虎の群れに囲まれていた。
なんてこと、人間なら誰でも一度は経験したことがあ……いや、ねーよ。それはねーよ。

「だってホラ。虎って基本群れないぜ?」

まさに脱兎。ダッと私は走り出す。
ギャグである。
逃げるが勝ち、脱出はスピードだね!

「……獅子は飢えを極めたとき、複数の群が協力して狩りを行うと聞いたが」

つまりアレですね。
虎さん達、本気も本気。
彼方も此方も崖っぷちなんですね。

虎さん達は唸り声か遠吠えかよくわからない騒音を上げて私――正確には隣の男――を追いかけてくる。

「ホラあんた男だろ。ちょっと行って足止めしてこいよ。あんたのこと、私忘れないから!」

あんたが私の隣を走るから私まで追いかけられてんだよ!

「悪いが。俺にはお前を助ける理由がない」

「あんたがいなけりゃ私はこんな怖い目にあってないぜ?」

つまり、私を巻き込んだ時点でこの男は私を助けるべき。ということだ。

「それはないな。」

「なんでよ」

「俺が疫病神だからだ」

直感が私に訴える。

グッバイ。平穏なるエヴリディ

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ