01/02の日記

20:36
1LDK
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私たちはよく二人で夢を描いた。
私は絵を描くのが苦手だから、鉛筆を握るのはいつも葉月の役目だった。


「猫を飼いたいな」
そう言いながら、葉月が四角い間取りの外側にトラ猫を描いた。
「じゃあ私も。私は黒猫がいいな」
私のリクエストに応え、先程のトラ猫に寄り添うように描かれる黒猫。
2Bで描かれた二匹の猫が私たちと重なって見えて、二人で少し恥ずかしそうに笑った。


葉月と私はこんな未来設計を何度も繰り返した。
その度に家の建つ場所や間取り、飼う動物は変わったけれど、葉月が描く夢はいつも慎ましい、小さな部屋だった。
「もう少し広ければ、大型犬だって飼えるのに」
と私が言うと、葉月は真剣な顔で、
「纏と離れてるのは嫌なんだ」
と答えた。
葉月は私を赤面させる天才だ。



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百合です。
デッドボールP「1LDK」
から妄想。またはインスパイア。それかパクリ。

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