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□Dilemma
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僕には兄さんみたいな人が二人います
二人とも大好きです
二人とも僕を好きと言ってくれました
けど僕の好きと二人の好きが違うのが唯一の悩みです
【Dilemma】
朝、アレンは目を覚ますと体を起こして左右を見た。左にはディック、右にはラビ……小さい頃はよく3人で寝ていたが今は違う理由で一緒に寝ていた。
アレンは二人を起こさないようにベッドから降りて着替える。そして静かにキッチンに向かった。
「……」
アレンが出るのを待ってディックは瞳を開く。目の前には幸せそうに寝ている双子の弟・ラビ。その顔に蹴りを入れたい気分だがそれをしないでディックもベッドから出た。いい匂いが漂ってくる。毎朝、二人のために朝食をアレンは作っている、その匂いであった。手早く身支度を整え、ディックは部屋を出る。だがラビは今だ夢の中にいた……
「あ、おはようございます、ディック」
「ああ」
大量のスクランブルエッグを作り、それぞれ取り分けていたアレンはにっこり笑ってディックを見る。それにディックは少し微笑んで返した。
「ラビはまだ寝ているのですか?」
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