novelD

□花曇り
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いつか必ず一緒に見よう



貴方の言葉が胸に突き刺さる



だって貴方は………








【花曇り】






空には星一つなく、僕の上には雨のように振り注ぐ桜の花弁…

満開の桜を見に行こうと話したのはもう1ヶ月も前の話。でも貴方はいない……


「……でも、仕方ない事ですよね…」

僕はくすりと笑う。一緒に見ようと約束した神田は今、大学の歓迎合宿とかいうのに強制参加していた。神田自身は参加にかなり不快感を表していたが、でも仕方ない。実力はあっても神田は入学したばかりだから。先輩の、そして学校の決められた事に不参加は出来ない。何だかんだ言っても結局は律儀なのだから……


一週間の合宿に発ち、今日で4日目。今ごろは飽きているか、不機嫌で周りが懸念していないか心配になる。去年みたいに一緒にいれなくて僕は神田の事を何もわからないのだ。僕は今の神田を笑う事も出来ない。もう側にはいれないのだから……

「………女々しいな…」

自分で自分にツッこむ。それでも年齢の壁は永遠に無くなる事はない。神田の隣にずっと居られない……



僕は綺麗に咲いている桜の根本に座る。桜の花弁は風に煽られてヒラヒラ舞っていた。落ちてくる花弁に手を出せば容易に花弁を掴む事が出来る。


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